旅の思い出

いよいよゴールデンウィークがはじまる。
私は、若い頃仕事の休みを利用して
友人とよく旅行に行っていた。
その中で、忘れられない思い出がある。
それは、北海道旅行をした時の事だ。
函館に始まり、札幌、小樽、襟裳岬を
周り最後に知床へ行った。
ずっと快晴続きで、楽しい旅だった。
知床では、民宿風の小さな旅館を
宿にした。
夕食前に一人で旅館のお風呂に行った。
硫黄の匂いのする泉質のお風呂
湯船に浸かり、いい気分で当時好きだった
小川知子之「初恋の人」を、歌っていた。
すると、壁一枚隔てた男湯の方から
私の歌に合わせて歌ってくる声が
聞こえてきたのだ！
一瞬、（え！）と思ったが旅の思い出にと
何処のどなたともわからない男湯の方と
セッション？が始まったのである。
なかなかの美声の持ち主で、
しかも浴室の音響効果もあり、気持ちよく
歌い終えることができた。
浴槽の中で、私は色々妄想していた。
その声の持ち主に、私はお風呂近くの
休憩所で声をかけられるのだ。
「ひょっとして歌ってた方ですか？」
顔を赤らめうつむく私。相手の方は
長身でイケメン。聞けは一人旅の途中
という。次の日、一緒に知床観光する
約束をした。その後二人は恋に落ちるのであった〜。となるところだった？がー
現実は、休憩所に居たのは、中年なオジサンのみで、妄想の彼の姿は見当たらなかった。
おかげで、旅の良い思い出となっている