愛犬の介護

コロと出逢ったのは、子供達も少し成長し
「犬を飼いたい」と思っていた時だった。
子供達と散歩をしていると、田んぼの用水路近くをうろついている子犬と、出会った。
生後2ヶ月くらいだろうか?近くにいた子供達が、保育園の玄関前にダンボール箱に入れれて捨てられていた、と教えてくれた。
このままでは、用水路に落ちる危険があるため、保護した。
自分の子供のとき以来の、犬との出会い。病院に連れて行き、ノミだらけだったのでお風呂にいれた。
それから、20年近く、大きな病気もせず生きてくれたコロ。
そんなコロに異変が起きたのは、17歳の頃だった。庭のあちこちに顔を突っ込み出れなくなったり、訳もなくぐるぐる円を描くように歩きまわったり。
人間で言えば、認知症の症状だった。
それで、室内で飼うことになったのだが、
食欲旺盛だった。ただ、私を認識するのが難しくなり、ペット用のおむつもやせほそりあわなくなった。
それで、人間の新生児用のオムツにしっぽ
の切込みを入れて使用した。オムツのため、毎日お尻を風呂で洗った。
20歳近くになると、ぐるぐる徘徊しながら、すぐ倒れるようになり、悲しい声で
鳴くことが増えた。その為、夫のジャンバーにコロを入れ、おんぶしながら食事の準備をした。
やがて、20歳を少し越えた、10月の半ば、一切の食事を受け付けなくなり、
それから一週間後の早朝、私の腕の中でゆっくりと部屋を眺める様に首をまわし
大きな息を一つ吐いて、静かに旅立った。大往生だった。